1/12/2010

トイレット・ペーパーと孫三人の関係



「何よ、ディビッドの嘘つき。まだトイレット・ペーパーここに沢山あるじゃないのォ」
朝から高校最年長生になった我が家の一人娘が弟に向って毒ずいている。
彼女の若く、輝くような顔姿もこの時は目が三角にならんばかりで、たかがトイレット・ペーパーごときに、その曇り顔は誰が見ても、ちょっとばかり頂けない。
ティーンが3人と大人3人の6人家族の私達が、そうも大家族と言う訳ではないけれど、核家族の多い昨今での一家族としては人間密度が平均家庭より高いかもしれない。
週2日は山ほどの洗濯物をこなさなければならないし、ゴミも週2の回収日には飽きれるほどのゴミの山が我が家から吐き出される事となるのをみても、やはり小家族ではないと思わせるには充分の理屈とはならないだろうか。
お洒落と清潔を建前の彼女にとっては、トイレット・ペーパーの獲得は大問題らしく、弟二人にいつもその数を報告させているのである。
幼い頃の或る日、ペーパーが切れていた事がトラウマとなっているのかもしれない。兎に角彼女のペーパーチェックは毎朝の事であり、それでいてトイレにはいってからペーパーがないと気がつくのが遅いのも、これまた彼女なのである。
2階の彼等のトイレから階下にいる私に携帯で「グランマ、このトイレに予備ペーパーがないの。」と電話通話をしてくる事もあるズボラさに飽きれさせられたりもする。
「貴方ねェ、最後にペーパーがなくなったら、直ぐに入れておくものよ。解ったわね。この間も私が入れておいたのじゃなかったかしら。」と弟のどちらかにあたるのは何時もの事で、弟達はお互いに「だって最後は僕じゃないもの。」と言い合うのである。
実母不在家族の彼等3人には、私が生活家事一般代理母であり、弟二人は姉である彼女に対して、時には母親を想う思慕の対象となっているのも確かな事で、彼女の命令には滅多に逆らう事なく良い様に使われているのだ。
来年は彼女も大学に進んで、この家を離れる事だろうから、その時の弟達二人が淋しく想うのを今でも充分に察しられる。
女性は判断力に富み、男は賢くて、マメに行動を取れる人間になるのが、今の世間には通用すると私は思っている。
「早くトイレット・ペーパーを補充しておきなさいよ」と彼女に云われて、「自分で持っていけば良いのに、いつも僕にさせるんだからなァ、、、」と文句を言いながらも、どちらかの弟が彼女の言葉に従うのも、今のうちだのことだからと私は見て見ぬ振りをするのである。
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